カードローンの選択肢として出てくるところといえば「消費者金融」と「銀行」が一般的ですよね。ちょっと詳しい方であれば、「信用金庫」や「クレジットカード会社」といったところも挙がるかもしれません。
しかし、そんな方にこそおすすめしたいのが「ろうきん」、いわゆる労働金庫のカードローンです。
「どうせ他とそんなに変わらないんじゃないの?」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。はっきりいって、使わないともったいない!と断言してもいいくらいお得なんです。
今回は、まだまだ知られていない「ろうきん」のカードローンに迫ります。今利用している方も借り換えの候補になると思いますよ!
いくら金利が低くて便利!…と言われても、そもそも「ろうきん」ってどんなところ?という疑問を持つ方は少なくないと思います。
お金を借りる上でも、どういったところなのかわからないとちょっと不安、ということもありますよね。
まずは、銀行とも消費者金融とも違う金融機関である「ろうきん」に関する疑問や質問などをQ&A形式で解説していきたいと思います。
ろうきんとは、「労働金庫」の略称です。その地域の会社や事業所などが会員となって作られた組織といってもいいでしょう。
そして銀行や消費者金融と大きく違うのは、営利目的ではないということ。つまり、お金を儲けるために利息を高くしたり…ということはしません。
ろうきんの会員である会社とその社員の方をはじめ、そのろうきんの地域に住んでいるひとたちのサポートをするための金融機関です。
そのため、カードローンなどの金利もかなり低く設定されており、生活に負担をかけずサポート出来るようになっているんです。
ろうきんでは、利用者が3種類にわかれます。それが
です。
「会員組合員」というのは、自分の勤めている会社がその地域のろうきんに出資し、加入している労働組合の組合員の方です。
「生協組合員」はその名前の通り、生活協同組合(コープ)の組合員の方、及び同一生計の家族の方のことを指します。会員組合員ではなくても生協組合員の方はろうきんで優遇されることが多いですね。
最後の「一般勤労者」は、会員組合員でも生協組合員でもない方のことです。
さらに細かく説明しますと、その地域のろうきんに住んでいる、あるいは勤務している必要があります。例えば近畿ろうきんの場合は2府4県(滋賀県、奈良県、京都府、大阪府、和歌山県、兵庫県)が対象のエリアとなります。
自分が組合員かどうか知りたい!という場合、ろうきんではなく自社の労働組合に問い合わせてみましょう。
労働組合があっても加入していない場合があるので注意です。加入していない場合、会社に労働組合があったとしても「一般勤労者」あるいは「生協組合員」としてしか利用することが出来ません。
ろうきんは本店があり支社がある…といった銀行とは違い、ある程度地域によって独立した運営が行われています。
その数は全国でなんと14!北は北海道から南は沖縄まで、以下のように分かれています。
地域に合わせた運営をしているため、
などなど、それぞれのろうきんで違いが結構あったりします。
自分が住んでいる(勤めている)ところのろうきんはどのような商品があるのか、一度チェックしてみることをおすすめします。
地方によって個性が強く、かつ営利ではない金融機関…それがろうきんです。
そんなろうきんのカードローン商品として代表的なものが「マイプラン」です。すべてのろうきんにあるといってもいいこの商品ですが、先ほども触れましたようにそれぞれのろうきんによって金利であったり、利用限度額であったりと根幹の部分から結構違いがあります。
すべてのろうきんの「マイプラン」をご紹介できたらいいのですが、データが大量になってしまうため、今回は利用する人が多いであろう関東地方を営業エリアとする「中央ろうきん」と、関西一円を営業エリアとする「近畿ろうきん」の「マイプラン」を中心にご紹介したいと思います。
まずは「マイプラン」の特徴について触れていきたいと思います。
中央ろうきん・近畿ろうきん両方に共通した特徴は
の3つになります。取引状況に応じた金利優遇制度については、後で金利のところでしっかりと説明させていただきますのでここでは割愛します。
提携先での手数料の還元は、よくコンビニを利用する、コンビニATMでお金を借りたいという方にとっては嬉しい特徴となるのではないでしょうか。
「還元」という言い方が引っかかっている方もいるかもしれませんのでどういうことか具体的に説明しますと、利用したときの利用手数料はかかります。
一度支払う必要はあるんです…が、手数料と同じ額が口座に即時に入金されるので、手数料を払ってはいるものの実質無料!ということです。
そのサービスは多岐に渡り、レストランなどの飲食店はもちろんホテルや旅館などの宿泊箇所、テーマパークなどの遊ぶところや観光地、買い物や病院での割引も受けることが出来ます!
その一部を紹介しますと
項目 | サービスの種類 |
---|---|
飲食 | ・利用料金が10%割引 ・ドリンク1杯サービス ・デザートサービス など |
宿泊 | ・10%割引 ・お食事券プレゼント |
医療 | ・人間ドック割引料金 ・成人病検診割引 |
といった、割引サービスとしてよくあるものからちょっと面白いものまで、ジャンルも様々なのでとってもお得です。
また、近畿ろうきんではカードを発行せずインターネットバンキングだけで利用することもできちゃいます。その際は「ろうきんダイレクト」の契約が必要となりますが、ネット上のみの取引で十分、という方はカードを発行しない選択肢も出来るのは嬉しいですね。
さて、そんな特徴もあるマイプランの利用条件を見てみましょう。こちらは近畿ろうきん、中央ろうきんどちらも共通しています。(他のろうきんでは違う場合があります)
以下の条件をすべて満たした方が利用出来ます。
年収や勤続年数に条件がありますが、決して厳しいと言えるものではないと思います。そして驚きなのが、未成年でも利用することが可能という点。
多くのカードローンは満20歳以上じゃないと利用できない商品がほとんどの中、未成年で働いているけどカードローンを利用したい、という方にはうってつけではないでしょうか。
ただしもちろんのこと、親権者の方の同意が必要となりますので、両親に無断で利用する…ということは出来ません。
ちなみに条件は会員組合員・生協組合員・一般勤労者すべてにおいて共通です。条件は一緒ですが金利や利用限度額の面でちょっとずつ差が出てきます。
やはり気になるのは利用限度額、及び金利の面ですよね。「すごい低金利!」と紹介されていても意外とそうでもない…なんて商品も多いですが、「マイプラン」の場合は本当に驚くべき低金利といえますよ。
まずはその驚くべき低金利から見てみましょう!
まずはこちらの表を見てください。中央ろうきん、近畿ろうきん及び長野ろうきんの金利になります。
ろうきん | 会員組合員 | 生協組合員 | 一般勤労者 |
---|---|---|---|
中央ろうきん | 7.075% | 7.255% | 8.475% |
近畿ろうきん | 8.550% | 8.950% | 8.950% |
長野ろうきん | 4.700% | – | 5.100% |
どうでしょうか。ちなみに、どれだけ借りてもこの金利です。つまり、利用限度額がたった10万円であってもこんな低金利で借りることができちゃうんです!
利用限度額が大きくなればなるほど適用される金利は下がるため、500万円や600万円借りればこのくらいの金利は普通、といってもいいかもしれません。しかし少額こそこういう低金利で借りることが出来るのは嬉しいですよね。
それだけではありません。「マイプラン」は金利優遇制度がある、と特徴のところで簡単にですがお話しました。そう、さきほどの金利よりもさらに!下がってしまうんです。
こちらは「近畿ろうきん」の金利優遇表となります。
引き下げ項目 | 引き下げ金利 |
---|---|
給与振込口座に指定 | 0.50% |
インターネットバンキング登録 | 0.50% |
給与振込口座に指定 | 0.50% |
一般財形またはエース預金 の利用(年金型を除く) |
0.30% |
財形住宅、財形年金、エース預金(年金型)、 ゆうゆう年金50のいずれかを利用 |
0.30% |
住宅ローンの利用 | 2.40% |
ろうきん扱いの 住宅金融支援機構融資 |
2.40% |
公共料金の自動支払い | 0.20% |
年金振込口座に指定 | 0.20% |
ろうきんUCカード保持 | 0.20% |
WEB通帳の利用 | 0.20% |
利用限度額50万円以上 | 0.20% |
会員組合員引き下げ | 0.90% |
簡単なものからちょっとむずかしいかも…と思えるものまで様々です。これらすべての条件を満たした場合すごい金利が下がってしまいますが、残念ながら最高でも優遇される金利は「2.4%」となっています。例えば住宅ローンをろうきんで利用していれば優遇は上限となるわけですね。
ちなみに中央ろうきんでの金利優遇制度では、「3.2%」が上限となります。それぞれ上限まで優遇を適用した場合…
ろうきん | 会員組合員 | 生協組合員 | 一般勤労者 |
---|---|---|---|
中央ろうきん | 3.875% | 4.055% | 5.275% |
近畿ろうきん | 6.150% | 6.550% | 6.550% |
もう驚くしかない低金利で利用することができちゃいます(笑)。
こんなに低いならたくさん借りたい!と思う方もいるかもしれませんが、利用限度額はどちらかといえば控えめな設定になっています。
ろうきん | 会員組合員 | 生協組合員 | 一般勤労者 |
---|---|---|---|
中央ろうきん | 最高500万円 | 最高500万円 | 最高100万円 |
近畿ろうきん | 10万円~ 300万円以内 |
10万円~ 100万円以内 (新規は30万円以内) |
10万円~ 100万円以内 (新規は30万円以内) |
会員組合員は500万円、または300万円が最高となりますが、一般勤労者の場合はどちらも100万円とかなり抑えた形になっています。特に近畿ろうきんの場合は新規では30万円までとかなり少なめです。
増額することも可能ですが、契約してから1年後という条件があります。ただ、金利が非常に低いですし継続的に利用を考えているなら選択肢には十分入るのではないでしょうか。
驚きの金利を知っていただいた次は、借り入れと返済について解説していきたいと思います。
こういった、大手の銀行や消費者金融のカードローンじゃない場合は借り入れが出来るATMが少なかったりちょっと利便性が劣るイメージがあると思います。
しかしその点もしっかりと「マイプラン」はカバー!使いやすさも抜群なんです。
「マイプラン」の借り入れは
のどちらかで行うことが出来ます。
利用できるATMは近畿ろうきんの場合
引き出し・入金OK | 引き出しのみ |
---|---|
・ろうきんATM ・ゆうちょ銀行ATM ・セブン銀行ATM |
・イオン銀行ATM ・ローソン銀行ATM ・イーネットATM ・BankTimeATM ・MICS加盟の地方銀行・信用金庫などのATM |
と非常に豊富。もちろんどのATMを利用しても手数料は還元されますので実質無料で利用できます!
また、インターネットバンキングも見逃せません。多くのネットバンクは銀行の営業時間である15時以降の取引は翌営業日扱いになってしまいますが、ろうきんは違います。
しかも取引は即時行われますので「まだかな」と待つ必要もありません。口座内で資金移動をしたい方や外に出ずにお金を借りたいという方はもちろん、急な出費でATMに行っていると間に合わない!なんて方にもおすすめです。
ネットバンキングを利用するには「ろうきんダイレクト」に加入している必要がありますので、その点には注意です。
そして、返済についてもしっかりと説明していきます。
「マイプラン」の返済は毎月決められた「定例返済日」に、返済用の口座から一定の金額が引き落とされることで行われます。
毎月の返済額がどうやって決まるのかというと、「利用限度額」です。
多くのカードローンでは「借入残高」によって返済金額を決めることが多いです。借りた額が大きくなればなるほど、返済額も比例して大きくなるというシステムですね。
しかしマイプランの場合は借りている金額が同じ10万円であっても、利用限度額が10万円の人と100万円の人では毎月の返済額が違いますから「あまり借りていないから返済額は少ないだろう」と勘違いしないように注意しましょう。
利用限度額 | 約定返済額 | ボーナス加算返済 (約定返済分) |
ボーナス加算返済 (ボーナス分) |
---|---|---|---|
~30万円 | 5,000円 | 5,000円 (近畿は非対応) |
– |
~50万円 | 10,000円 | 10,000円 (近畿は非対応) |
– |
~70万円 | 12,000円 | 10,000円 | 20,000円 |
~80万円 | 13,000円 | 10,000円 | 20,000円 |
~100万円 | 15,000円 | 10,000円 | 30,000円 |
~150万円 | 20,000円 | 15,000円 | 30,000円 |
~180万円 | 25,000円 | 20,000円 | 30,000円 |
~200万円 | 30,000円 | 25,000円 | 30,000円 |
~250万円 | 35,000円 | 30,000円 | 30,000円 |
~300万円 | 40,000円 | 30,000円 | 60,000円 |
返済額は以上のようになります。
中央ろうきんでは利用限度額が50万円以下でもボーナス加算返済が可能なのですが、近畿ろうきんでは利用限度額が60万円以上じゃないとボーナス加算返済が利用できません。このあたりはろうきんによって微妙に差が見られます。
加えて、あまり他では見られない、ボーナス加算返済について説明しておきましょう。
こちらの返済方法は毎月の約定返済額に加えて、ボーナス月に表の「ボーナス分」に対応した金額を追加で支払うシステムです。
ボーナス月は支払い額が大きくなるものの、ボーナス加算払いを行わない場合と比較して、毎月の約定返済額が低くなりますので普段の負担を減らしたい方向けです。どちらかを自分のマネーライフに合わせて選んでくださいね。
これら毎月の定例返済に加えて、ATMを通じてカードを使用して追加で返済を行う「繰り上げ返済」も利用することが可能です。繰り上げ返済を行うことで元金(借りたお金そのもの)が少なくなりますので、完済までの期間が早くなりますよ。
だいぶ駆け足で説明させていただきましたが、いかがだったでしょうか?まだまだ魅力がある商品ではありますが、その一部でも伝わったのではないかと思います。
会員組合員である方はもちろんですが、一pな勤労者という立場の方でも十分に低金利で利用することが出来ますし、マイプランクラブに加入することで旅行や買い物などをお得に利用することも可能です。
さらに、24時間対応OKなネットバンキングも魅力ですよね。カードローンだけでなく、様々なサービスが24時間対応となっているので利便性の高さも折り紙つきです。ATMの手数料が還元されるのも、よくATMを利用する方にとってはかなりお得なシステムと言えます。
利用限度額がちょっと低めであったり、条件が厳し目な部分もありますが、それを補ってあまりある魅力あるカードローンです。これからは銀行や消費者金融だけでなく、ろうきんも選択肢のひとつに加えてみてはいかがでしょうか?
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