消費者金融会社「アイク」という名前を聞いたことはありますか?あまり若い人だとご存じないかもしれませんね。もしかしたら、「ディック」や「CFJ」という消費者金融会社は聞いたことのあるという方もいるかもしれません。
かつて「アイク」を利用していたあなた。現在、アイクがどうなっているのか、情報がゴチャゴチャしていて分かりづらい!と感じていませんか。
ここでは、「アイク」の現状と、アイクを引き継ぐ消費者金融会社について、わかりやすくまとめます。
アイクという消費者金融会社は、消費者金融会社がブームになった時代に存在しました。消費者金融会社は「サラリーマン金融」とも呼ばれ、お給料日の前にお小遣いに困ったサラリーマンが気軽に利用できる便利なものとして人気が出た時代です。
90年代の、サラ金ブームとも感じられる時代。「アイク」の他に、「武富士」が有名なカードローン会社として覚えている方も多いことでしょう。
とくに、武富士の倒産はかなり大きなニュースになりましたよね。テレビコマーシャルもインパクトのあるものでしたし、「あんなに大きな会社が!」と当時はみんな驚いたものです。
後でまたご説明しますが、「アイク」は、その名前こそなくなってしまいましたが、統合されています。
アイクは外資系の消費者金融会社として有名でした。カナダの会社「アソシエーツ・カナダ・ホールディングス」が日本で営業を始めたのがアイク株式会社です。
1979年に設立されたということで、「アコム」や「プロミス」など大手の消費者金融会社に比べて少々若い会社です。ちなみに、「アイク株式会社」になったのは1986年のことですのでより若い会社名なんですね。
この時代、消費者金融会社の金利は今よりもずいぶん高かったのです。「29.2パーセント」が一般的な金利で、アイクを始め多くの消費者金融会社がこの金利で営業していました。
利息に関する法律はありましたが、当時はその法律がうまくいかされていませんでした。ですので、高すぎる金利のために返済に苦しむ人が多くいて、社会問題になってしまい、利息制限法が見直されることになりました。
現在は、多くの消費者金融会社は金利上限が18パーセントで営業しています。さらに、かつて29パーセントで営業していた会社も、取り過ぎた分の利息をお客さんに返済しなければならないということになりました。これを「過払い請求」といいます。
アイクもその会社のひとつになっています。しかし、今はアイクという会社名はありませんので、その過払い請求をするのが多少複雑になっています。
アイクについて調べていると、「CFJ株式会社」という会社名がよく出てきませんか。なんだかややこしくてよくわからない、と感じる方も多いかもしれません。ややこしい情報を整理しました。
CFJ株式会社は、比較的新しい会社です。2003年にできたので、2015年現在、まだ10年少ししか経っていないのですね。
「CFJ」は、「Citi Finance Japan」から来ています。もともとアメリカの金融会社です。それの日本法人なので、最後の「J」は「JAPAN」の頭文字なのです。
CFJ株式会社は、消費者金融会社の3社が合併してできました。それが、「ディック」「アイク」「ユニマットライフ」の3つの株式会社です。
これらの消費者金融会社は、合併する前はアメリカの「シティコープ」という大手の金融グループの仲間でした。そのシティコープが、3社を合併してできたのが、CFJ株式会社なのです。
「アイク」なのか「CFJ」なのか混乱してしまいそうですが、つまりは、CFJ株式会社から出ているカードローンの商品名が「アイク」になったということなのです。
銀行とカードローンの関係でいったらわかりやすいでしょう。たとえば、三菱東京UFJ銀行のカードローンは「バンクイック」と言います。それと同様に、CFJ株式会社でキャッシングする時のカードローン名は「アイク」なのです。
しかし、現在は「アイク」というブランド名は消えてしまいました。
「ディック」のホームページを見てみると、「アイクはディックに変わりました」との案内があります。その他、「ユニマットレディス」も同じようにディックに変わったとの案内もあります。いったいどういうことなのか、わかりやすく説明します。
上記で見た、3社から出ていたカードローンは「アイク」「ディック」「ユニマットレディス」だったのですが、これらがすべて「ディック」にひとまとめになりました。
かといって、CFJ株式会社がなくなってしまったというわけではありません。CFJ株式会社が出していたブランド名をひとまとめにしたということです。これは2006年のことです。
3つあったのが、1つだけになってシンプルになったのですね。これで「アイク」「ユニマットレディス」というカードローン名はなくなってしまいました。なぜそのようなことになったのでしょうか。
今も記憶に新しいサブプライムローン問題。これが原因で、CFJ株式会社の親会社であるアメリカのシティコープ(シティグループ)が、経営不振になってしまいました。
それにともない、営業を縮小した結果、アイクもユニマットレディスもなくなった原因なのです。このようなことは決して珍しいことではなく、景気によって多分に変わってしまう金融業界の宿命とも言えるでしょう。
アイクはディックに変わった、ということでしたが・・・なんと、現在ではディックも新規貸付を停止しているのです。つまり、ディックも存在しない消費者金融会社になってしまった、ということに。
2010年以来、ディックでは新規の借り入れができなくなってしまいました。2006年に、アイクはディックになったので、4年ほどの短い命だったのですね。ちなみに、ユニマットレディスの方は2009年にディックになったので、1年ほどという超・短期間でした。
ディックが受付停止してしまったとはいえ、2015年現在もディックのホームページは存続していて、更新もしています。しかし、それは現在も借り入れが残っているお客さんに対するもので、新規のお客さん向けではありません。
アイク・ディックは、私たちが利用するカードローンの商品名であり、それを営業している会社が「CFJ株式会社」です。2010年以来、結局、アイクもディックもなくなってしまったと考えておけばよいでしょう。
しかし、これまでアイクやディックを利用していて、まだ返済が終わっていない方は、必ず返済する必要があります。その時には、「ディック」に返済します。アイクはディックに変わったので、現在残っているのはディックのみです。
また、CFJ株式会社は残っていてちゃんと営業しています。新規借入希望のお客さんには、提携している「プロミス」に紹介するという形を取っているようです。
このように、今はない消費者金融のブランド名を利用して、過払い請求にまつわる詐欺行為をはたらく悪質業者がいるので注意が必要です。
かつてアイクやディックで借りていた人に、「金利が返ってくる」と甘い話を持ちかけて、結局のところお金を巻き上げられてしまうという手口があるようです。
実際に、このように過払い請求することはできるのですが、弁護士や司法書士にお金を払ってするものであり、悪質業者の言うようなカンタンな話ではありません。甘すぎる話があれば必ず疑ってかかりましょう。
ディックのホームページにも注意喚起があるのでぜひチェックしてみてください。
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