何かと便利なキャッシングやカードローン。消費者金融や信販会社が手軽に使えることや、管理も難しくないという理由で、生活の一部に組み込んでいる人も増えている時代です。
でも、中にはいくつもの借入をすることによって、ちょっと面倒な状況になってくるケースも見受けられます。そんな時、借入を銀行に移行することを考えてみませんか?
銀行に借入を移行するとはどういうことなのでしょうか。また、それによってどんなメリット、またはデメリットが考えられるのか、詳しくチェックしてみましょう。
借入を銀行に移行するということは、すなわち、「消費者金融などで借りた複数の借金を、銀行から借りる資金を元にしてひとつ(一本)にする」ということになります。
簡単に説明すると、以上のようになります。要は「複数の借金をまとめて一括で返す資金を、銀行から借りる」ということですね。まとめて一括返済した後は、銀行に資金を返して行くことになります。
これが「銀行に借入を移行する」ということです。一般的には「一本化」と呼ばれたり、「おまとめ」と言われることもあります。
消費者金融でこの一本化を対象にした融資商品も用意されています。しかし、金利面などを考えると、金額が大きくなれば大きくなるほど、銀行で資金を借りて一本化する方が良いと思われる部分が多いのが現状です。
借金を銀行で一本化することによって、どんなメリットがあるのかを見ていきましょう。メリットがなければ無理に一本化することはありませんので、必ずメリットがあるわけです。
借金はひとつひとつに金利が課されています。A社の借入に15%、B社の借入に10%、C社の借入に5%だとしても、それぞれに利息が発生し、そのうち利息が膨らんでいくことが懸念されます。
消費者金融でお金を借りると、どうしてもつきまといがちなのが、総量規制についての悩みです。総量規制があると、借入金額に制限がかかることは、どうしても避けられません。
立場 | 総量規制の内容 |
---|---|
利用者 | 年収の三分の一までしか借りてはいけない |
貸金業 | 利用者の年収の三分の一までしか貸してはいけない |
当たり前と言えば当たり前の関係なのですが、改めて見ると、「お互いを雁字搦めにしている」と言えなくもないのが総量規制です。もちろん、元々は利用者が無理な借金をしないよう、いわば利用者保護の目的で制定された法律なのですが、こういった時には不便を感じますね。
これがあると、貸金業である消費者金融から、一本化のための資金を借りようとしても、借りることができないケースが出てしまいます。
しかし、銀行であれば関係ありません。なぜなら総量規制を含んだ貸金業法は貸金業に適用される法律ですので、銀行法を順守する立場の銀行には、全く影響がないからなのです。
総量規制と無関係の銀行に借入を移行すると、大きな借金も低金利で清算しやすいというメリットが見えてきますね。
大きなメリットは既に説明しましたが、一本化には他にもメリットが隠されています。大変小さなメリットですが、人によっては大切なことかもしれません。
返済日が全て同じところからお金を借りていればまだ良いのですが、消費者金融はそれぞれの会社の返済日が設定されています。人によっては一ヶ月に何度も、返済について頭を悩ませなければいけません。
また、毎月の返済額を一本化する前よりも低くできることがほとんどです。今まで返済総額に悩んでいた人も、これで一息つけるようになることでしょう。
メリットがあればデメリットもあることは常識です。金利面、総量規制に無関係というメリットがある一本化ですが、やはりデメリットについても考えておかなければいけません。
メリットを考えた時、月々の返済額を低く抑えることができるというものを紹介しました。今まで大変だった分、少しでも楽になるのであれば、こちらを選択する人がほとんどです。
お金を借りやすくなってしまうということは、少々真剣に考えたいデメリットかもしれません。消費者金融からの借金は、一本化した時点で全て返済したことになります。つまり、クレジットヒストリーとしては「完済」という扱いになります。
すると、総量規制までの借入可能な枠が、再び空くということです。今まで特に返済遅延などの問題を起こしていなければ、消費者金融からまた借りることが可能なのです。
借金を早く返すためにした一本化が、新しい借金の土壌になりかねないというデメリットは、自分で自分を厳しくコントロールできない人に対して、かなり危険なデメリットになると言えるでしょう。
銀行の一本化の商品は、思った以上にたくさんあります。元々は地方銀行が始めた「おまとめローン」が発端ですが、今ではその商品名が一本化を表す代名詞にもなっています。どこの銀行にも、今では大抵ひとつは一本化のための商品があるはずです。
銀行の商品ですので、それなりに審査があることは覚悟しておかなければいけません。とはいえ、他の審査とほとんど違いがないのも確かです。銀行の審査が厳しいことで、申し込む前から諦めてしまう人がいますが、そこまで考え込まなくても大丈夫ですよ。
おまとめローンの審査の時、特にチェックされるのがこの四つだと言われています。どれも返済能力を測る、大切な項目ですね。銀行は何よりも返済能力を重視しますので、このあたりの情報はしっかりと伝えておきたいものです。
他社からの借入があると、銀行の審査に通らないという噂があります。しかし、一本化のためにある商品のおまとめローンですから、その噂を気にすることはないと言えます。
ただ、明らかに多すぎる借入があると、銀行の人も少し迷ってしまうかもしれませんね。借入が増えすぎる前に、銀行に借入を移行した方が良いと言えます。
暫定的に「五本の借入があると審査に通りにくい」と言われていますので、その数に達する前におまとめローンを考えることが重要です。もっとも、五本あったとしても、必ずしも審査に落ちるわけではありません。まずは相談してみると良いでしょう。
借金の一本化というと、実はそれなりに大変なことですから、おまとめローンのようにしっかりした商品、専門的に対応してくれる商品でなければ対応できない、と思ってしまいがちです。
銀行のカードローンは、大抵いくつかの種類があるものです。一般的なカードローン、何かの分野に特化したカードローンなど、銀行の売りがそれぞれあるでしょう。そこでチェックして欲しいのが「利用使途」です。
この利用使途の中に、「借金の一本化の資金として」といったことが書いてあれば、カードローンでありながら、おまとめローンとして利用することが可能なのです。
全てのカードローン商品で、この利用使途が認められているわけではありません。商品をひとつひとつチェックする手間が必要となります。また、全ての銀行で取り扱っているわけでもないので、手間をかけて探すことになるでしょう。
一本化に利用できるカードローンは様々なものがあります。中にはメガバンクからリリースされているカードローンもあり、人気を集めています。人気のあるカードローンを比較してみましょう。
銀行 | カードローン | 金利 | 借入限度額 |
---|---|---|---|
三井住友銀行 | 三井住友銀行カードローン | 4.0%~14.5% | 800万円 |
みずほ銀行 | みずほ銀行カードローン | 3.5%~14.0% | 1000万円 |
三井住友銀行、みずほ銀行は、共に日本を代表するメガバンクです。商品の信用度は折り紙付きと言えますね。どちらも金利が銀行ならではの低さで、金利が高い消費者金融などからの借入の移行にはうってつけと言えます。
一本化専用の商品ではなく、使途が広いため、一本化のための資金にすることが可能となっています。最初は一本化のために利用した人も、一本化が終わったら、そのまま継続して利用し続けることも多いようですよ。
三井住友銀行カードローンは、金利が年4.0%~14.5%、借入限度額が800万円となっています。借入限度額は取り立てて高いというわけではありません。しかし、三井住友銀行カードローンで注目したいのは、何よりも利便性です。
三井住友銀行カードローンの審査は、何と最短で30分。カードの即日発行も可能となっています。銀行の審査と言うと、時間がかかるものだという先入観がありますが、そのイメージを払拭してくれる速さですね。
また、三井住友銀行の口座を持っていなくても、すぐに利用できるという点も便利です。借入や返済は、三井住友銀行だけではなく、コンビニのATMを使って簡単にできますので、ライフスタイルに合わせた便利な使い方が可能です。
みずほ銀行カードローンは、三井住友銀行カードローンと同じく、金利は銀行として平均的なものとなっています。3.5%~14.0%と、消費者金融に慣れた人には嬉しい低さと言える数字でしょう。
みずほ銀行カードローンの最大の特徴は、借入限度額の高さにあります。銀行は比較的高額の借入限度額を設定しているものですが、1000万円は珍しいと言えるでしょう。総量規制のない銀行ならではの金額と言えます。
借金の一本化にはやはりそれなりのお金が必要ですから、たとえ1000万円を必要としていなくても、審査次第でそれだけの金額が提供されると知っていれば、何となく安心ですよね。
また、みずほ銀行カードローンのちょっとした利点としては、カードローン専用のカードを発行しなくても利用が可能ということです。元々持っている銀行口座があれば、その口座のキャッシュカードをそのまま流用することができるのです。
カードローン専用カードを発行することもできますし、発行しなくてもOK。自由にえらぶことができます。カードは案外かさばるものですから、さりげなく嬉しいサービスですね。
銀行へ借入を移行するのなら、できるだけ早めに決断することが大切です。と言うのも、借入の移行を考えているということは、基本的に借金が多く、返済が厳しくなっているからですよね。
返済が厳しくても、きちんと返しているうちは問題ありません。しかし、中にはそのうち返済日に間に合わなくなったり、数ヶ月滞納してしまうことになってしまう危険性が出てきます。
返済時の問題に関する情報は、信用情報機関に一定の期間保管されます。この一定の期間が過ぎるまで、審査の時には必ず参照されると思って下さい。
任意整理や自己破産は、一本化すらできなくなってしまった人が究極的に考えるものですが、参考として覚えておいて下さい。これだけの年数、金融事故の記録がつきまとうことになるのです。
返済遅延を一度しただけでも、5年もの間、信用情報に傷がつくことになります。この間、銀行のカードローンなどの審査に通過するのは大変難しいと言えるでしょう。一本化のために申し込もうとしても、審査で断られることになるかもしれません。
借入の移行は決して難しいものではありません。銀行でも、一本化のための多くの商品を用意しています。返済に困る前に、ご自分に楽な方法を選択できると良いですね。
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