カードローンにつきものといえば「審査」です。しかし、利用条件を見ると非常にシンプルで、この条件なら自分なら必ず利用できる!…と思ったのに、審査に落ちてしまったなんて方もいるのではないでしょうか。
実は、カードローン利用条件は審査の入り口のようなもので、実際借りられるかどうかはまた別なんです。
今回はそんな利用条件からは見えないカードローンの審査についてご紹介します。
カードローン商品、すべてにおいて「利用条件」が設けられています。
もちろんこれは当たり前のこと。誰でも利用できる条件がないカードローンという商品はお金を貸す側のリスクが高すぎるので存在しないからです。
しかし、この利用条件はあくまで「ただの入り口」。
カードローンの利用条件で、例えば
このようなものになっていることが多いですが、正直言って上の2つの項目はふるい落としのためにあるようなものです。
年齢を制限しているのはリスク回避ですね。未成年でもお金を借りることは親権者の同意があれば可能ではあるのですが、親権者が「お金を借りた覚えはない!」と訴えると簡単に未成年の借金はなくなってしまうように保護されています。
特に未成年の方は親に内緒で借りた…というパターンもあるため、貸し倒れのリスクを減らしたいカードローン会社側からすると、未成年にお金を貸すというリスクは抱えたくないのです。
また、年齢の上限も同様にリスク回避です。とはいえこちらは未成年の方とは事情が違います。年齢を重ね、65歳を過ぎることによって定年を迎えて会社をやめ、ゆったりとした老後を送る方も多いでしょう。
年金という収入はありますが、30代・40代といった方に比べると病気になってしまったり、死亡してしまったりとこちらも貸し倒れにリスクが生じてきます。そのためあまり年齢を重ねた方にはお金を貸さないようにしているんですね。
「安定して継続した収入」という点も、申込者をふるいにかける一つのポイントになっています。
カードローンにかぎらず、「お金を借りる」ということにおいては借りる側に収入があるかどうかは最重要とも言えるポイントかもしれません。
なぜなら、収入がない方にお金をかしても返ってくる保証が全くないからです。これは想像に難くない部分だと思います。
そして、安定・継続というところもポイントです。カードローンの返済は(商品の仕様によっては違うものもありますが)毎月一定の金額を返済しなければなりません。
収入が次にいつあるかわからない…といった方の場合、収入があった月は返済できてもない月は返済ができない、なんてこともあるかもしれません。延滞しても返済があればラッキーですが、そのまま返済出来ず…という可能性も高いです。
なのでこちらもリスク回避として、安定した収入がない方にはお金を貸すことはない、というわけですね。
その代わりアルバイトやパートといった少額の収入であっても定期的な収入であれば申し込むことが可能、というケースが多いです。
そして最後の項目です。非常にシンプルで、その会社(あるいはその会社と契約している保証会社)の基準を満たすことができればカードローンが利用できるよ、ということを一文にしただけなのですが、実はこれが最重要な項目と言えるでしょう。
そもそも基準ってなんだ!と言いたくなりますが、これは絶対に外部にはわかりません。それぞれのカードローン会社(あるいは保証会社)の審査基準は独自に設けられており、その基準を満たさない限りカードローンの審査に可決することはありません。
似たようなスペックの人であっても、可決するカードローンと可決しないカードローンがあるのは、微妙にその会社によって審査の基準が違うから…ということなんですね。
この一番大事な「基準」。これがわからないと話にならないところではあります。
確かに会社ごとの細かな基準というのはわかりませんが、どういったことが審査において重要なのか…という点はある程度わかってきているんです。
カードローンの審査において重要なのは利用条件ではなく、実は「信用情報」というものです。
そして、「信用情報」によって各社の独自の基準を満たした場合、初めてその会社のカードローンを利用できるようになるわけなんです。
とはいっても、わたしたちの普段の生活には全く関わりがないように感じられる信用情報、というもの。そもそも信用情報とはどういうものなのか?をまずは解説していきたいと思います。
信用情報とは、簡単にいうとお金に関する細かなプロフィール…といったところでしょうか。
お金といっても現金に関してではなく、
といったものに関してです。つまり、上記のものを一度も利用したことがなければ信用情報がない人、といえますね。
信用情報として登録される情報は非常に多岐にわたっており、
などの借りたお金に関する情報はもちろんですが、お金を借りたりクレジットカードを契約したりする際に必要な情報となった
といった、かなり突っ込んだ個人情報なんかも登録されています。
こういった非常にプライベートな情報はどこが管理しているのか、ちょっと気になるところですよね。もしどこかから漏れていたりしたら…と想像すると不安になる方もいると思います。
信用情報はそれぞれのカードローン会社などが管理(登録・保持)している部分もありますが、基本的には「信用情報機関」というところが責任を持って管理しています。
「信用情報機関」とは、個人情報の収集と提供を行う機関であり、カードローンやクレジットカードの会社のグループ会社ということはない、全くの第三者機関です。
日本には
機関名 | 加盟している企業の傾向 |
---|---|
全国銀行個人信用情報センター | ・銀行 ・信用金庫 ・信用組合 ・協同組合など |
株式会社シー・アイ・シー | ・信販会社 ・クレジットカード発行会社 ・信用保証会社 ・一部の消費者金融、銀行、労働金庫 |
日本信用情報機構 | ・貸金業者全般 (消費者金融・信販会社など) |
の3つがあります。多くの場合1箇所だけではなく2箇所に加盟しており、かつ、これら3つの信用情報機関は相互交流として情報の共有をしていますので、ひとつクレジットカードを作るだけでこれら3つ全ての信用情報機関に情報が残るといってもいいでしょう。
信用情報は具体的にどういった感じで使われる・登録されるのか、カードローンの申し込みを例にして説明していきます。
そこには「当社が加盟している信用情報機関に申し込みに関する情報を提供することに同意する」旨のことが記載されているはずです。
これは簡単にいうと「申し込みの際に記入した情報を信用情報機関に情報として登録(提供)するよ」ということです。また、「信用情報機関にあなたの情報がないか確認して、情報があった場合今の情報と照会するよ」という意味も含まれています。
既に信用情報がある場合、クレジットカードの利用で払い忘れ(延滞など)がないか、他にカードローンを利用していないか、利用しているなら返済はきちんと行われているか…などを調べます。
特に
は非常に重要です。消費者金融のカードローンの場合、「総量規制」という仕組みによって年収の3分の1を超えてお金を貸すことは違法と定められています。そのため、他社からの借り入れ(銀行系は対象外)がある場合は総量規制を超えていないか必ずチェックする必要があるんです。
他には審査そのものに信用情報が利用されます。これは次からのトピックで詳しく解説していきます。
信用情報はお金に関するプロフィールですが、お金に関する部分だけが審査において重要というわけではありません。
むしろお金に関する部分よりも、登録されている他の信用情報の方が審査の上では大事…と言えるかもしれません。その中でも重要視されるのは「勤務先」に関することなんです。
カードローンの審査においては、職種はもちろん会社の規模も審査に影響する部分があります。会社の規模についてはそこまで大きな影響はないようですが、職種はある程度影響するといっても過言ではないでしょう。
有利 | > | > | > | 不利 |
---|---|---|---|---|
公務員 医師 弁護士 |
大企業の 正社員 |
中小・一般企業の 正社員 |
契約社員 派遣社員 フリーランス (自営業) 無職(不労所得あり /不動産など) |
パート アルバイト 無職 (年金受給者) 無職(不労所得あり/ 株式収入など) |
このような感じになるでしょうか。無職(無収入)の方がいないのは、利用条件を満たしていないからです。入れるとしたら不利よりも不利、という位置でしょうか。
あくまでこれは傾向であって、一般企業の正社員の方であっても他の情報によっては審査に落ちることも十分にありえます。
公務員や大企業の社員が審査に有利になるのは「会社の安定性」にあります。特に公務員の場合は勤め先が倒産するという可能性はほぼ0なので、安定した収入を得ることが出来ると判断されるわけですね。
逆にアルバイトやパートの方はすぐに勤務先を変えやすい傾向にあるため、あまり審査の上では有利に働きません。自営業の方は収入の安定性に欠けると判断されがちなので、評価が低くなります。無職で不労所得を得ている方も同様ですね。
ただ、その中でも不動産収入は無職とならず「不動産業」として判断されることもあります。家賃収入は定期的な収入となりますので、評価がもうちょっと高くなる可能性もありますね。
職種の評価が高ければOK!…というわけではありません。もっと重要、いえ、カードローンの審査の中でもかなり重要と言えるポイントといってもいいかもしれません。
それが「勤続年数」です。どうして勤続年数が有利になるのか?というと、こちらも「安定性」に関わってくるからです。
今でこそ高校や大学を卒業して一つの会社に就職したら死ぬまでそこまで…という時代ではありませんが、それでも職を転々としている方はカードローンなどの審査で不利になります。
具体的な理由として
の2点が挙げられます。まずは収入が安定しない可能性ですが、これは職を転々としていれば当然といえるでしょう。雇用契約は会社によって違いますので、もらえるお給料も会社によって変動します。
それが1万円~2万円といったわずかな差なら特に気にならないところですが、10万円も違うと一体年収はいくらになるのか?と審査する側は判断しにくいのが実情です。とくに消費者金融の場合は総量規制もあるため、もし借りられるとしても利用限度額は抑えめになる可能性が高いです。
そして貸し倒れになるリスク。勤務先が変わることで連絡を取りにくくし、お金を借りたまま返さない…というケースも稀にですがあります。また、転職が毎回スムーズにいくとも限りません。会社を辞めて無職になってしまった場合、その間の返済が滞ることもあります。
そういったリスクを抱えるのはやはり避けたいもの。そのため、審査の上で勤続年数が短い方は不利になってしまうんです。
具体的に審査に有利・不利と言える年数はこちらになります。
有利 | > | > | > | 不利 |
---|---|---|---|---|
6年~ 10年以上 |
4年以上~ 5年以下 |
1年以上 3年以下 |
半年以上 1年未満 |
半年未満 |
少なくとも1年は同じ勤務先で働いていないと審査は大きく不利になります。逆に3年以上同じところで働いていたら審査の面では合格点と言えるでしょう。10年以上も働いていれば盤石です。
ちょっと意外かもしれませんが、カードローンの審査で大きく影響があると思いがちな「年収」ですが、実は審査の面では大きな影響はありません。
もちろん年収が高い方が審査の面で有利になることは間違いありませんが、低めだからといって審査に無条件で落とされるわけではないんです。実際アルバイトやパートの方でも利用できていますよね。
ただし、利用条件に「年収が○○円以上の方」という商品の場合、利用条件ギリギリだと審査に落ちてしまう可能性があります。ご自身の年収の方がちょっと余裕がある…くらいの方がいいでしょう。
実は勤務先や年収に関することだけが審査にとって重要なポイントではないんです。
さらにプライベートなところ…家族構成や住居なども審査の対象に入る場合があるんです!
なんと、カードローンの審査においては居住年数や家族構成もチェックされる場合があります。
もちろん居住年数が長い方が有利になります。
有利 | > | > | > | 不利 |
---|---|---|---|---|
10年以上 | 5年以上 | 2年~5年 | 半年~2年 | 半年未満 |
こちらは勤続年数と比べると、目安としての意味が大きいです。特に「持ち家」、かつ居住年数が長いと審査の面では有利に働きます。
その理由は「夜逃げの可能性の低さ」にあります。ここまで読まれた方ならもうおわかりかと思いますが、結局カードローンの審査は「どれだけきちんと返済してくれる人間かどうか」を判断するものです。
なので、
という方だと、「もしかしたら夜逃げするかも?」と思われる可能性があるんですね。一人暮らしだと引っ越しやすいですし、雲隠れもしやすいというわけです。
家族構成も同様の理由です。両親と同居していたり結婚していると夜逃げの可能性は低くなる(かつ、他の家族に連絡を取ることも可能)ので評価が高くなりやすいです。
ただ、結婚していて子供がいる…という方は、若い場合自由に使えるお金が少ないかも…という判断から、利用限度額が低めに設定されることもあります。
審査項目の中で、ちょっと面白いものもあります。それは「固定電話の有無」。
なんで固定電話で…?と不思議に思われるかもしれませんが、これも返済能力といいますか、連絡のとりやすさや貸し倒れのリスクの減少に役立っています。
固定電話は今時契約している人は少ないとは思いますが、逆にいうと契約しているということは、ある程度長く住んでいたり、家族と一緒に住んでいる可能性が高いということ。それだけ貸し倒れリスクは低くなりますよね。
とはいえ現在では結婚して家族がいるような家庭でも固定電話を契約しないこともありますし、誰もが携帯電話を持っているのが一般的になりました。
そのため携帯電話だけでも問題なく借りることが出来ますので、固定電話がないことで審査に悪影響が出ることは考えなくてもいいでしょう。固定電話もあることがプラスに働く…評価に加点がつく、というようなニュアンスでしょうか。
有利 | 不利 | |
---|---|---|
携帯電話・固定電話両方あり | 携帯電話・固定電話どちらか | どちらもなし |
評価としてはこんな感じになります。さすがにどちらもなし…という方はそうそういないと思いますが、連絡が取りづらいので審査に否決してしまう可能性は高いでしょう。
こういった勤務先などに関する項目意外で最重要と言えるのは現在の生活がどのような感じか…という点です。
具体的に言えば
といった部分です。
特に消費者金融のカードローン審査においては非常に重要な項目と言えるでしょう。理由は先程触れました「総量規制」のためです。
他社からお金を借りている、という点についてはカードローンだけではなく住宅ローンや車のローンなどもチェックされます。住宅ローンや車のローン、銀行系(銀行・信用金庫など)のカードローンも総量規制の対象外ではありますが、お金を借りていて返済を行っているのは事実です。
なので、既に他のローンで収入に対して「ちょっと多いな」と思われるほどの返済額を毎月支払っているのであれば、これ以上お金を借りても返済できるか怪しいですよね。
そう判断した場合、審査に否決させるか?それとも利用限度額を少額にして可決させるか?を判断することになります。これはそれぞれの会社の基準にしたがって行われます。
加えて、他のローンで延滞など返済が滞っていないかもチェックされます。これはいわゆる「ブラック属性」になっていないかをチェックするものです。
信用情報は共有されていますので、他社でブラック属性だったとしてもきちんとわかるわけです。ごまかして申し込みをしてもバレますのであしからず。
今回紹介しました項目以外にも審査の対象となる項目はまだまだあります。これらの項目を総合的に判断して、カードローンの審査に可決するかどうか決めるというわけですね。
でも、最近ではスピード審査が普通なのにひとつひとつ審査していては時間がかかり過ぎるのでは?と疑問を持った方もいるかもしれません。
確かにひとりずつしっかり見ていると非常に時間がかかるのですが、多くの大手カードローンでは審査のシステムとして
のいずれかを採用していることが多いです。
モデル審査とは、その人の大体のデータ(信用情報)からその会社が持っている過去のデータから一番近いモデル像を選び出し、その人にお金を貸しているかどうかで審査の可否が判断されるシステムです。
たまたまその会社で延滞ばかり繰り返している人と近い属性だった場合審査に落ちてしまうという悲しいハプニングもあります…。
スコアリング審査は、信用情報や属性などに点数を割り振っており、申し込んだ方がその条件を満たす場合一定の点数が加算されて行き、可決ラインよりも高い点数になれば可決、というシステムです。
どの会社がどちらかはわからないので、属性はいいにこしたことがないんです。
いかがだったでしょうか?利用条件を満たしていればカードローンが利用できるというわけではない、ということはおわかりいただけたかと思います。
仮に利用条件を満たしていればOKなら、審査に落ちる人なんていませんよね。むしろ、自分の「信用情報」や「属性」の方がずっと審査において重要なんです。
クレジットカードを利用した購入代金をきちんと支払ったり、毎月のローンの支払いをきちっとしたり…。そういった当たり前のことでも信用情報としてしっかり残ります。そしてそれは未来の自分のカードローン審査時にしっかりとチェックされるんです。
利用条件からは見えない審査の中身。どうせ借りるならスムーズにしたいもの!今の自分はカードローンを利用しやすいかどうか?という判断にも利用できますので、うまく活用して素敵なマネーライフを送ってくださいね。
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