お金を借りる手段として非常に手軽で便利なカードローン。今は利用していなくても、そのうちちょっと使ってみようかなと思う方もいるのではないでしょうか。
にカードローンでお金を借りるために必要な条件は、安定して毎月収入があり、年齢が若すぎず、高齢過ぎないことですので、基本的に働いている人であれば問題なく利用することが可能です。
しかし、中にはきちんとその条件を満たしていてもお金を借りられない人もいます。それは、「ブラック」と呼ばれる人たちです。
もちろんブラックとは色のことではなく、状態のことです。カードローンを利用する上での「ブラック」とはどういうことなのか?そして、「ブラック」になってしまった場合はどのような弊害があるのか?を解説します。
一般的には「ブラック」と言うことはあまりないかもしれません。法的にブラック、なんて使うことはありますね。
ちょっと迷惑な人であったり困った人の名前が記載されているものを「ブラックリスト」ということがありますので、接客業の方や販売業の方の中には馴染みがある単語かもしれません。「この人はブラックリストに入れて対応を考慮しよう」といった形で使われることもありますね。
その会社やお店の中だけで利用されるもので、外部に何かしら影響を与えるものではありませんが、要注意人物リストとして使われることが多いでしょう。
ではカードローンなどの金融関係におけるブラックというものは、どのような意味があるのでしょうか。
実は、カードローンなどの金融関係における明確な「ブラック」や「ブラックリスト」は存在しません。とはいえ、ブラックという単語の持っている意味合いは明確なものになっています。
ブラックとは、何かしらの金融事故を起こしている・事故情報が自分の信用情報に記載されている状態のことを言うんです。
事故情報が記載されている=ブラックな、アウトな情報が記載されている、といったようにわかりやすく解釈した結果、現在のように「ブラック」や「ブラックリスト」といった単語を頻繁に使用するようになっているだけのことなんです。
しかしながら非常に浸透している単語のため、「事故情報を持っている人」というよりも「ブラック属性の人」と表すほうがよりシンプルですしわかりやすく、伝わりやすいといった印象になっています。
ブラックというものについてわかったところで、気になるのは「事故情報」です。事故って何?!交通事故!?と思ってしまう方もいるかもしれませんが、そのような危険な意味合いではありませんので安心してください(笑)。事故っていうとちょっと大仰な感じがしてしまいますよね。自分だけでしょうか…。
さて、事故情報とは信用情報機関に登録されている「事故情報」及び「異動情報」のことを指します。自分の情報の中に、この事故情報または異動情報が登録・記載されていることによって「ブラック属性の人」となってしまうわけです。
事故情報及び異動情報と登録されるのは以下の場合です。
種類 | 概要 |
---|---|
延滞 | 一定期間以上、3回以上延滞返済が滞っている時 |
債務整理 | 自己破産や民事再生、任意整理などを行った場合 |
代位弁済 | カードローンなどの契約者が返済できない状況になり、 保証会社が弁済した場合 |
お金に関することなので、カードローンだけでなくクレジットカードの支払いや住宅ローン、車のローンなど様々なローンや割賦払いが対象になります。カードローンを利用したことがなくても、クレジットカードの支払いがずっと滞っていると「延滞」として事故情報に登録されている可能性があるわけです。
信用情報には「事故情報」または「異動情報」として登録されることはないものの、扱いとしてはブラックになってしまう状態があります。それは一般的に「申し込みブラック」と言われているもので、短期間(目安は1ヶ月に3社以上)に複数のカードローンやクレジットカードに申し込んだ場合になってしまう可能性があります。
信用情報には、クレジットカードやカードローンに申し込んだ履歴もしっかりと記載されます。他の会社は申し込んだ時にその情報を見ることが出来ますので、短期間の間に複数社に申し込んでいる履歴を見ると「この人はよっぽどお金が必要なのではないか?お金を貸しても返済が滞ってしまうのでは?」と判断されてしまうんです。
そのため、本来では問題なくカードローンを利用できる人の場合でも警戒されてお金を貸してくれない(審査に通らない)ことがあるんです。
先ほどからちらちらと出てくる「信用情報」というものですが、これはお金を借りる上で切っても切り離せないものです。
信用情報とは、個人の氏名や年齢といった基本的な情報から、お金を借りている場合はいつから借りているのか、いくら借りているのかなどお金に関する情報、そして先ほど説明しました事故情報や異動情報が登録されています。
こういった情報は利用した銀行や会社が個人で保存しているだけでなく、第三者機関である「信用情報機関」が管理しています。すべての金融事業に関する会社や銀行は、その信用情報機関と契約・加盟をすることで自社との取引がなくてもその人の情報を閲覧・照会することが出来るようになっています。
ですので、A社で延滞をしている人がB社で新たに借り入れをしようと思っても、B社が審査の際に信用情報を閲覧することで、「A社で延滞している」という情報をキャッチできます。このように、自分たちの目が届かないところで何かしていたとしてもしっかりと把握できるわけですね。
そのため、カードローンなどの申し込みではウソをついても仕方がない、ウソをつくほうが不利と言われているんです。
ブラックというモノは存在しませんが、そのような状態は存在するということはおわかりいただけたでしょうか?それでは、実際ブラックになってしまったらいったいどうなるのか…それはご存知でしょうか。
お店なんかの場合は、ブラックリストに名前が載ってしまうとお店に出入り禁止になるなどの措置が取られたりしますが、消費者金融などのカードローンでブラックになってしまった場合はいったいどのような弊害があるのでしょうか?
もちろん消費者金融だけでなく、銀行の借り入れ(カードローン)などもNGです。
また場合によっては、「今まで貸したお金の残額、まとめて一括で支払ってね」と言われることもあります。(自己破産や任意整理など、債務整理をしている場合は返済が必要なくなるケースもあります)
お金を借りることが出来ないのであれば、新規の借り入れももちろん出来ません。これは消費者金融・銀行・信販会社のカードローン・キャッシングだけでなく、
といったこともすべてできなくなると思っていいでしょう。ブラックの状態が解除されるまではお金を借りることも出来ず、クレジットカードを使うことも出来ません。何か購入した時の分割払いも出来ませんので自分自身の収入のみですべてを賄わなければならない、ということですね。
常に現金一括払い主義!という方なら問題ありませんが(そもそもそんな方は最初からローンを利用しませんが…)、大抵の方はそうではないと思いますので、出来るだけブラックにはならない道を取りたいものです。
もし、何かのミスでブラックになってしまったら、一生もう消費者金融からお金を借りることが出来ないのでは…と思っている方がいましたら、それは間違いです。
さすがに一生ブラック属性がその身につきまとってしまうということはありませんので安心してください。ただ、どういう事故情報か、登録されている信用情報機関はどこか、といった2点によって期間は変動しますが、一定期間が過ぎればブラック情報は消去されます。
ブラック情報が消去されるまでの期間は以下の表のようになります。
種類 | 期間 |
---|---|
3ヶ月以上支払いが延滞 | 延滞が解消されるまで消えない |
延滞が解消された時 | 解消翌日から5年間 |
自己破産 | 5年~10年間 |
任意整理 | 5年間 |
個人再生 | 5年間 |
特定調停 | 5年間 |
これに加えて、「申し込みブラック」の情報(申込情報)は半年で消去されます。
一度ブラックになってしまうと基本的にはその状態になってから数年ですので、永遠ではないですが非常に長い期間といっても過言ではありません。また、延滞の場合は返済するまで一生事故情報として残り続けます。さすがに一生残したままというケースはほとんどないかと思われますが、「延滞しているけど5年経てば大丈夫」というわけではありません。
ブラックになってしまっても、期間を短くする方法があればなんとかなるかも!と思った方、それは甘いです!
一度事故情報として記載されてしまったら、その期間を短縮することは出来ません。よって、一度ブラックになってしまうとその期間はお金を借りず、新規の申し込みをせず…といった、ある意味節制した状態でその期間を過ごすことになります。
基本的にブラック属性になってしまうとお金を借りることは出来ません。しかしながら、ブラック属性でも一部の消費者金融であればお金を借りることが出来る場合もあります。中には大手の消費者金融からでもお金を借りることが出来たケースもありますが、それはあくまでレアケースです。
どうしてもブラックだけどお金を借りたいと思うのであれば、個人経営の消費者金融をあたってみるといいかもしれません。もちろん金利は高めの設定ですし、利便性の面から見ると大手には遠く及ばないでしょう。提携ATMなんてありませんし、借り入れと返済は店舗を訪れることでしか行えない場合もあります。
小さいところであれば審査は面談で行われることが多く、そこで非常に細かく家族構成や環境など、属性といわれるものを調査されたり、話さなければならないこともあるかと思います。しかしながら、丁寧に審査することでブラック属性でも本当に必要ならばお金を貸してくれる…というところもないわけではありません。
何かしらの事情がありブラック属性になってしまったが、本当にお金が必要といった切羽詰まった状況であれば、個人経営の消費者金融にチャンスをかけてみてもいいかもしれません。
もちろん個人経営だから借りやすいというわけではないですし、あくまで可能性ですので基本的には借りられない、と思っておいたほうがいいですね。
ブラックになってしまうと消費者金融からお金を借りるだけではなく、住宅ローンやマイカーローンの利用にも影響が出てしまいます。カードローンくらいであればまだ本人までの影響ですむ話ですが、住宅ローンなどになると家族にも影響が出ますので、なるべく避けてはいきたいところですよね。
ブラックになってからでは遅いので、どうすればブラックにならないのかといった予防策をしっかりと知っておくことが必要になってきます。
消費者金融は総量規制がありますが、銀行のカードローンには総量規制がありません。ですので、場合によっては年収の半分近くまでお金を借りることが出来る場合もあります。(さらに、半分を超えた借り入れも出来なくはありません。審査に可決するかは別として…)
そうなると毎月の返済の負担はかなりのものになってしまい、だんだんと返済が厳しく、ついに延滞…となってしまう可能性があります。最悪、自己破産や任意整理などの債務整理を行わなければならない可能性も出てきます。
毎月の返済が負担になるというのは、ある意味「借り過ぎている」ということです。毎月の返済が自分の負担にならない、無理のない金額を借りるようにしましょう。
お金を借りる上での初歩の初歩ですが、これが一番大切なことです。毎月きちんと決められた金額を返済する、当たり前じゃないか!と思わず呆れてしまうようなところかもしれませんが、それがなかなか出来ない人も多いのです。
特に返済日をうっかりと忘れていて延滞してしまうケースがかなり多いです。1日2日の延滞であればそれだけで大きな影響にはなりません。しかし、それが毎月のように続くと事故情報として掲載はされないものの、お金を貸している消費者金融側からすればいい顧客ではありません。利用限度額の増額も望めないでしょうし、むしろ限度額が下がってしまうかもしれません。
返済する気はあるのにうっかり忘れて延滞してしまうのは非常にもったいないことです。それを防ぐためにも、返済方法は口座振替にしておくなど、返済自体に負担がかからない方法を選ぶことで延滞をなくすような工夫をしてみましょう。
信用情報は基本的に機関に加盟していない企業などは閲覧することが出来ませんが、情報の本人であれば情報を取り寄せることが可能です。1回に数百円程度の費用がかかりますが、自分の信用情報がどのようになっているのか確認することは非常に重要なことです。
もしかしたら知らないところでブラック属性になっている可能性もあります。日本ではあまりないかと思いますが、スキミングでクレジットカード情報を盗まれた場合は、悪用されてブラック属性になっている可能性もないとは言えません。
また、知らない間に自分の名前で何かを契約していたなど、金銭的な被害の防止にも有効な手段です。もし自分の身に覚えがない情報があれば調査を依頼することが出来、その結果認められればその情報を消去することも可能になっていますよ。
これは直接ブラックにならないようにする手段というわけではないですが、お金を借りたりする上で行っておいたほうがいいことです。
昔に契約したクレジットカード、使わずにずっと持っているだけ…といったものはありませんか?年会費が必要ないものもありますので、どうせ使わないなら放っておけばいいやと思っているものでも、基本的に使わないのであれば解約してしまうのが一番です。
クレジットカードと同様に、現在は借り入れをしていないカードローンの契約も、必要がないのであれば解約してしまいましょう。こちらはクレジットカードよりも簡単に他人が利用することも出来てしまいますので、金銭トラブルの元にもなりかねません。別のところで借り入れを考えている際にも総量規制の足かせとなってしまうこともあります。
今後何かしらの形で利用したいと考えるならそのままでもいいと思いますが、いまのところその予定はない、借り入れる際にも新たに借り入れるという場合はさっくりと契約終了してしまいましょう。
対処法などを見ればわかりますように、基本的にお金を借りてもきちんと毎月返済していればブラックになってしまうことはありません。ブラックになるのは怖いから…とお金を借りること自体を躊躇してしまうのはもったいないように思えます。
といったポイントを守れば快適に利用が出来ると思います。ブラックなんて怖くないですよ!(なったら怖いですけどね…)
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