カードローンの「利息だけ返している」という人の話を聞いたことがありませんか?実はどうしても返済が苦しい場合に、そのような対処をしてもらえることがあるのです。
「え!じゃ私も早速そうしよう」と思った方も居るかもしれませんね。でもこれは何時でもお薦めできるものではありません。しかし延滞のピンチを切り抜けるには、とても効果的な手段なのです。
今回はこの通常とはちょっと異なる形の返済について、詳しくご説明していきたいと思います。
「利息だけ返済」というのは、あくまでも返済の特殊な形です。ならば正常な返済とはどんなものなのでしょう?先ずはそこから見ていきたいと思います。
普通カードローンの返済といえば毎月一定額を入金するのが一般的ですが、実は正常な返済はこれだけではありません。
月々の一定の返済のことを、約定返済と言いますが、実はその内訳が毎月変化しているのをご存知でしょうか?例えばこんな返済例を考えてみましょう。
毎月の返済額は1万円と一定ですが、実はその内訳は以下のように毎月異なっています。また返済し始めは利息分が多く、最終回に向けて利息の占める割合が減っていくのも見て取れますね。これが約定返済です。
1回目の返済内訳 | 2回目の返済内訳 | 23回目の返済内訳 |
---|---|---|
元本→7042円 | 元本→7146円 | 元本→9727円 |
利息→2958円 | 利息→2854円 | 利息→273円 |
この約定返済額、「最低返済額」だということをご存知ですか?つまりこれ以上の額であれば、幾ら返しても構わないんです。
例えば先程の例の1回目の返済の際に、以下のように2万円追加で返済するというのもありなんです。最低額の1万円だけは必ず返済しなくはなりませんが、後は完全に自由。「約定返済」には、実はこのような意味があるのです。
また返済期日以外に追加で返済するのもOKですよ。でもこれにはちょっと気をつけて戴きたい点もあります。毎月同じ日付に返済することになっている場合(35日サイクル制は該当しません)には、返済の時期に注意しなくてはなりません。
例えばこのような例を考えてみましょう。
この場合入金のタイミングによって、それが追加返済になるか約定返済になるかが変わってきます。もしも12/25〜1/14に返済すれば、自動的に全額が追加返済扱いとなります。
そこで気をつけて戴きたいのは、返済期間の1/15〜1/25になれば、また返済をしなくてはならないということです。こちらは約定返済で、必ず毎月こなす必要があるからです。
もしも返済期間中に入金せず1/25【返済期日】を過ぎてしまえば、延滞扱いになってしまうでしょう。「追加返済は自由」ですが、「約定返済は絶対」だと憶えておいてください。
このように追加でも返済できる余裕がある間はいいのですが、時には約定返済すら難しいというケースだってありますよね。こういう時に助かるのが「利息だけ返済」なのです。
それにしても「利息だけ返済」とは、具体的にどうやればいいのでしょうか?そこで最初にあげた表の例をもう一度使ってご説明しましょう。
この返済内訳の表の「23回目の返済が難しいケース」を考えます。本来の約定返済なら1万円を入金せねばならないところですが、もしも「利息だけ返済」するならば、最低273円入金するだけでOKです。これならピンチを乗り切れるでしょう。
このような返済にしたい時には、本来ならば事前に連絡をとってからが基本です。でも連絡する暇がなくて、勝手に利息に足りる分を入金したとしても、延滞扱いになることはありません。但し利息に満たない額では、延滞になりますので気をつけてください。
ただ延滞にならないとはいっても、信用情報には「利息だけ返済」の事実は、しっかり記録として残ってしまいます。延滞よりはずっとマシですが、利息だけ返済が信用情報上の黄色信号であることには変わりありません。
例えばCICの入金状況にはこのように記号でチェックが入り、一定期間(2年間)は登録されたままです。
しかしこのまま利息だけ返済を数ヶ月以上続けたとしても、遅延損害金も発生しませんし、いわゆるブラックになることもありませんので、その点はご安心ください。
ピンチの切り抜け方としてはお薦めできる利息だけの返済ですが、もしもこれを長期間続けるとすればどうなるでしょう?次に、利息だけ返済のデメリットについてご説明したいと思います。
利息だけを返済すると、当然ながら元本は一向に減ってくれません。つまり利息だけ支払い続けると、理屈上は永遠に返済が終らないということになるのです。
カードローン会社にとっては、何もしなくてもずっと利息を払い続けてくれるのですから有難い話ですが、利用者としては何とか元本を減らさないことには全く先が見えてきません。
それに先程もご説明しましたが、請求額の一部しか入金がないことが続くと、信用情報上の評価は下がる一方です。何ヶ月もこんな状況が続くのは絶対によくありません。
それに「利息だけ」と言っても、思ったほど楽じゃない場合もあります。同じことなら、より利息分が少ない返済回にこの方法を使うべきですよね。
そこで、最初にご紹介した返済額の内訳の表をもう一度ご覧ください。
最終回直前の23回目の利息額はとても低いのですが、1回目や2回目の返済では、利息はまだ3千円近くもあります。これなら少々無理をして、1万円フルに入金した方がいいかもしれません。
返済回 | 返済額1万円中の利息分 |
---|---|
1回目の返済 | 2958円 |
2回目の返済 | 2854円 |
23回目の返済 | 273円 |
利息だけの返済は、いつもより少ない金額で済むので楽といえば楽なのですが、長い目で見ると結局は割高についてしまう方法です。そこで利息だけ返済をしないで済むように、カードローン返済で困らないための3つの方法をご紹介しましょう。
返済で困らないためには、とにかく余裕のある時に少しでも早く完済に近づけることです。それには追加返済が欠かせません。
約定返済だけで十分、又は約定返済しかできないと思っている方も多いのですが、本当はそれ以外にも返済する方がより望ましいのです。
そうすることで最終的には利息も少なくて済みますし、延滞のリスクも減らせます。
返済が苦しくなったら、その都度気軽に相談することも大切です。利息だけ返済も、本来ならこの相談でアドバイスしてもらえることなのです。
また返済計画の根本的な見直しも可能です。返済期間を長くとって返済額を少なくするといったことも、この相談によって初めて可能になります。
利息だけの返済は良い方法ですが、何ヶ月も続けることはお薦めできません。使うのなら、ピンチの際のとっておきの手段として、より効果的なタイミングで利用することが大切です。
ただし度々やれば信用情報も汚れますし、信用もどんどん低下することをお忘れなく。
カードローンのサイトには表向き借り方のことばかり強調されていますが、返済に関する知識も重要ですね。でも返済に困った際にも、このように色んな裏技が存在することが分かって戴けたと思います。
「返済できない=ブラックになる」かのように借入を怖がる方も居るのですが、実際にそうなるまでには幾つもの防護壁があります。まだ不安の残るあなたも、どうぞ安心してカードローンを申込んでみてください。
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