金融機関絡みでお金の話をする時には、どうしても利息(利子)や金利とは無縁ではいられません。利息に関しても、「複利」や「単利」という言葉も耳にするはずです。しかし、言葉は知っていてもその意味を理解しているのかというと、自信のない方が多いのではないでしょうか。
この複利ですが、単利と共に特に貯蓄でよく聞く言葉になるのですが、逆を言えば融資の際に耳にする機会はあまりありません。
しかし、金利というものが発生するのですから、関係はあるのではないか?という不安も出てくるかもしれません。
複利というものがどういうものか。単利とはどう違うか、お伝えしたいと思います。
お金を貸し借りした場合に発生する金利に関して、わかっているようで意外とわかっていない人は結構います。例えば、金利とは?利息と利子はどう違うのか?
金 利 | お金を貸す(または借りる)際に発生する手数料の割合を示したもの。 |
---|---|
利 息 | お金を貸した(または借りた)際に発生した手数料を金額で示したもので、貸した側から見た呼び方。 |
利 子 | お金を貸した(または借りた)際に発生した手数料を金額で示したもので、(利息と同じ意味)借りた側から見た呼び方。 |
要は利息=利子なのですが、立場の違いから呼び方が変わります。ただ、相手の立場から見た呼び方をすれば、逆に呼ぶことになります。
また、この貸し借りで出てくる利息には、複利と単利があります。これもまたよく聞く言葉なのですが、知っていて上手にお金を使いこなしている人は少ないのではないでしょうか。
単利や複利という言葉もまた、お金の運用や貯金の機会によく耳にします。お金を借りる時も実は全く関係ないというわけではありません。
この単利や複利は、金利の計算方法の一つになります。
単 利 | 借りている(または、預けている)お金、いわゆる元金にのみ金利が掛かる。 |
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複 利 | 借りている(または、預けている)お金(元金)に金利が掛かるが、次は元金+金利にさらに金利が掛かるという状態になります。 |
例えば、50万円借りたとします。金利が年率10%だとして、単利と複利の利息(利子)の増え方は、以下のように大きく変わります。
単 利 | 複 利 | |
---|---|---|
1年目 | 50万円(元金)+5万円(利息 =55万円 |
50万円+5万円 =55万円 |
2年目 | 50万円+5万円+5万円 =60万円 |
55万円+55,000円(55万円×10%) =605,000円 |
3年目 | 50万円+5万円+5万円+5万円 =65万円 |
605,000円+60,500円(605,000円×10%) =665,500円 |
ですので、お金を貯金する時は複利がよく、借りる時は単利になっている商品にするのが、メリットがある形になります。
通常のカードローンなどの商品説明には、その商品が単利になっているのか複利になっているのかまでは書いてないでしょう。一般的にローンなどの商品説明には、金利や返済額の表記で留まっています。
その中で、「実質年率」(または実質年利)という表記がよくあるのですが、年利はおおよそ分かるとして、実質とは?となるかもしれません。
実質年率 | 返済の際の利息だけでなく、そこに手数料や保証料などの分も含まれた金額のこと。 |
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例えば、50万円を10%の金利(実質年率)で30日ごと10,000円の返済だとします。
となっていきます。
お金を借り入れの場合、単利か複利かで見ると、実は複利になります。どこでも複利とは言い切れず、企業によって単利の所もあるかもしれませんが、一般的には複利になります。これは利益を求める企業側に立って考えれば当然にも思えます。
ただ、大抵の場合において大まかな説明時には、そこまでの話はないのではないでしょうか?どこのホームページを見ても、カードローンなどの商品説明にはそこまで書いてないはずです。あくまで概要説明で留まっている程度だからです。
それでは、問題になるのではないか、そう思う人もいるかもしれません。
しかし、実際に消費者金融でお金を借りる時は、実はこの複利の影響はほとんどありません。ですので、概要説明にはそこまで書いてありません。
というのは、何年も貯蓄をするのとは違い、お金を借りた場合についてみると、通常、毎月返済をしており、しかもその返済額には元金だけでなく利息も含まれているからです。
上の単利と複利の表で見てもわかるように、複利も初回は単利と変わらない利息になっています。それと変わらないと考えればいいでしょう。
ただし、状況によっては全く影響がないわけではありません。ですので、複利がどういうものか知っておくと、いざという時に損はしないはずです。
毎回きちんと返済を行っていれば都度残高が減り、複利が影響することはないのですが、延滞を起こした場合は注意しなくてはいけません。
遅延損害金が発生します。これは大抵どこの消費者金融でも銀行でもついています。ほとんどの所が利息制限法の上限にあたる20%になっています。
遅延損害金は、通常の利息とは別に、返済遅れが生じた際に発生する利息になります。
ですので、返済遅れが生じた際の支払いは、元金(残高)+利息+遅延損害金となり、金利が2重に掛かっている状態になります。
例えば、50万円の残高で20日の遅れ、20%の遅延損害金の場合
5,479円、通常の返済とは別に支払わなくてはいけなくなります。
この場合、正確な意味の複利とはちょっと違うでしょうが、ある意味複利と同じ様な状態になっているようなものです。
これもまた、要注意しなくてはいけないのは、借り換えの場合です。
複数社から借入していると負担が大きいからとおまとめにしたり、金利が低いからと別の消費者金融に借り換えする場合は、ある意味複利になります。
元の借入している消費者金融には、そもそも借入金+利息を返済しなくてはいけません。
ということは、おまとめ、または借り換えを行った消費者金融には、元の消費者金融にその(残高+利息)分を借りなければいけないことになります。その上で、新たにおまとめ、または借り換えした消費者金融の利息が発生するわけです。
例えばA社の残高が50万円、金利が18%、借り換えのB社の金利が10%の場合(1年の状態で計算)
A社への返済額 | B社への返済 |
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50万円+(50万円×18%) =59万円 |
59万円(A社へ返済する額)+(59万円×10%) =649,000円 |
B社へは、A社の利息分も支払うことになります。
もちろん、それ以上のメリットがあると判断しての借り換えなのでしょうが、場合によってはかえって返済額が増える場合もあります。
これもまた、正確な意味の複利とは違うでしょうが、金額的には負担が増えることにもなりかねません。おまとめや借り換えをする場合は、きちんとシュミレーションしてから決めるようにしましょう。
単利と複利では返済額に大きな差がでてきしまいます。これは、元金がいくらになっても%での計算になるので同じです。
しかし、消費者金融で決まっている返済日や返済額をきちんと守ることで、そのデメリットとしての面が押さえられることになります。知っているのと知らないのとでは、やはり違います。
単利複利だけでなく、様々な内容や情報を知っているからこそ、知恵を絞って返済を上手に処理していくことができるようになります。
もちろん、借りたお金は返すのが、人として当たり前のことです。ここを忘れないようにしたいものです。
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