昔のように、高校や大学を卒業したらずっと1つの会社に就職して働く…ということはだんだんと少なくなってきています。
中には正社員だったのに契約社員になってしまったり、リストラのような憂き目にあってしまう方もいるでしょう。はたまた、次のステージを目指して転職!という方もいるかもしれません。
どのような理由であれ、会社が変わるときや辞めた時には一時的といえども「無職」となってしまいます。
無職となった際、カードローンなどの限度額はすぐに下がってしまうのでしょうか?様々なケースで考えてみましょう。
一時的に無職になってしまう…というケースで一番多いのは「転職のために前の会社を辞めて、転職先へ入社するまでのインターバル」でしょう。
転職の時期によってはスムーズに移行できることもありますが、場合によっては1ヶ月~3ヶ月程度間が空いてしまうこともありますよね。
そんな「一時的な無職」の場合は、利用限度額はどうなるのでしょうか?
無職の期間が短いのであれば、特別申告する必要もありません。ただし、転職後勤務先が変わったのであれば申告しておいたほうがいいでしょう。
特に消費者金融のカードローンを利用している場合、年収によって借りられる金額が変動してしまいます。
消費者金融や信販会社(クレジットカードを発行しているクレディセゾンやオリコなど)は、まとめて「貸金業者」と言われます。貸金業者に適用される法律は「貸金業法」と言うのですが、その中に「総量規制」という決まりがあります。
これは、お金の貸しすぎを防ぐために、「その人の年収の3分の1を上限とする金額までしか貸してはいけない」と定められたものです。
転職後に年収が増えていれば特に問題はありませんが、転職後に年収が減る場合が問題です。利用限度額が0円になることはなくとも、減額されてしまう可能性はあると思っていていいでしょう。
銀行や信用金庫のカードローンは貸金業法が適用されないため、利用限度額が強制的に変更されるということはありませんが、年収などのバランスによって利用限度額が変更されることは十分にありえます。
転職くらい大したことじゃないから黙っていてもいいのでは?…と思う方もいると思います。確かにバレなければ特に問題ないでしょうし、実際転職しても申告せずに利用を続けている方も利用者の中でいるでしょう。
しかし、利用規約上「情報に変更があった場合きちんと報告する」ということが義務付けられており、多くの場合は見逃してはくれるものの厳密には「規約違反」となってしまうことも。
カードローンの更新時などに会社側が気づくと「報告がない」と信用を失ってしまう可能性もあります。信用を失うと増額がしにくくなったりしますので、そのカードローンを長く使っていきたい、将来的には増額を考えている場合は必ず変更があったことを報告しましょう。
最後に、一時的に無職なってしまう場合の限度額についてのポイントをまとめました。
次のケースは「結婚」です。特に女性の場合、結婚をきっかけに現在の職場を辞めて専業主婦になる方も多いですよね。
それまでは働いており、自身に収入がありましたが専業主婦は「無職」扱いになってしまいます。
専業主婦になった場合、カードローンなどの利用限度額はどうなるのでしょうか?
結婚する前の働いていた時に消費者金融のカードローンを契約していた場合、結婚して専業主婦となると利用限度額は0円(利用不可)となってしまう可能性が非常に高いです。
その理由は「総量規制」。年収によって狩りられる金額の上限が決定されるものですが、専業主婦の方は無収入ということになります。つまり0円。
0円は何をかけても0円なので、利用することが出来ないということですね。
…とはいえ、実は専業主婦の方は絶対に消費者金融で借りられない、ということはありません。「貸金業法」の中では「配偶者貸付け」について定められています。
基本的に総量規制はお金を借りる本人の年収があるかどうかを対象としますが、配偶者と合わせた年収の3分の1まで借りることが可能、という制度が「配偶者貸付け」です。
配偶者貸付けを行うには、消費者金融に対して夫婦であることを証明する書類と、配偶者の同意書が必要になります。
また、配偶者貸付けは専業主婦の方しか使えないわけではありません。
例えば、年収が100万円の妻と年収500万円の夫の場合、妻が配偶者貸付けで200万円(二人の年収の合計/3)まで借りることが可能です。
その代わり、配偶者貸付けを利用すると夫の借り入れ金額は減少します。今の例でいうと、妻が200万円を借りた場合夫は一切借り入れることは出来ません。
ただ、消費者金融、とくに大手の場合はこの「配偶者貸付け」を行っていないところがほとんどです。その理由は事務手続きが面倒だから…という一言に尽きてしまうのですが…。
問い合わせの上でお願いすれば利用できる可能性もありますが、ハッキリと「出来ません」と記載している会社もあります。
中小の消費者金融であれば配偶者貸付けをしてくれるところもありますが、そもそもそういったところで借りているというケースは少ないでしょう。となると、消費者金融でお金を借りていた場合、専業主婦になったらほぼ借り入れは不可能、という結論になります。
銀行のカードローンは総量規制の対象外なため、継続して利用可能なことが多いです。ただし、商品によっては
といった条件があるものも。自分が利用しているカードローンが専業主婦でもOKなものでない場合、利用者の対象外となってしまうため利用停止、最終的には解約する必要が出てくるかもしれません。
専業主婦OKなカードローンであればそのまま利用は継続して可能です。ただし、収入が0円となってしまうのでこちらも利用限度額に制限が出てきます。
銀行/商品名 | 利用限度額 | 専業主婦の利用限度額 |
---|---|---|
みずほ銀行 | 1,000万円 | 30万円 |
バンクイック | 500万円 | 30万円 |
楽天銀行スーパーローン | 500万円 | 50万円 |
こちらは一例ですが、専業主婦が借りられる限度額よりも高い限度額で契約している場合…例えばみずほ銀行で利用限度額100万円で契約していた方が専業主婦となった場合、最高でも30万円となります。さらに、配偶者の収入などの審査を行った結果それよりも少なくなる可能性もあります。
こちらも最後にまとめておきましょう!
最後のポイントは本文中で説明はしていませんが、氏名などが変更されるためきちんとカードローン会社には報告しましょうね。
次に「無職」と分類されるのは、退職後年金のみで生活をしている「年金受給者」の方です。意外と「無職」の幅って広いと感じますね(笑)。
年金を受給してはいるものの、仕事の対価として得ている収入ではないため、無職という扱いになるようです。
ただし、年金を受給しつつ非正規雇用で働いている…という方は無職にはなりません。アルバイトをしていれば「アルバイト」、契約社員であれば「契約社員」という肩書になります。
年金を受給するようになった方の場合、職業的な面でもそうなのですが、何よりも「年齢」という面が非常にネックになってきます。
なぜなら、年金を受給する年齢は基本的には60歳以上。遅くて65歳以上といったところですよね。その年齢になると、利用条件や継続利用の天井に非常に近いんです。
銀行/商品名 | 利用条件 | 新規借入停止 |
---|---|---|
みずほ銀行 | 契約時に 満20歳以上満66歳未満 |
満70歳 |
りそな銀行 | 契約時に 満20歳以上満66歳未満/td> | 満70歳 |
このように、契約時の年齢も66歳との上限があり、さらに満70歳になると新規の利用停止、つまり借り入れができなくなってしまいます。
この2つの銀行カードローンについては新規借入停止まで時間がありますが、場合によっては利用年齢として69歳までとし、それ以降は利用が出来ないという場合もあります。
特に銀行のカードローンは利用年齢が低めに設定されていますので、年金を受給するような年齢の方は、契約自体の見直しや管理がより必要になるといえるでしょう。
消費者金融・銀行どちらのカードローンであっても、年金収入だけでは利用不可という商品が多いんです。
ただし、年金収入にプラスしてアルバイトなどで別途収入がある場合はその限りではありませんが、これは「無職」とはなりませんので今回のテーマからちょっと外れてしまいますね。
すぐに全額返済しろと言われることはありませんが、新規借り入れは停止、あとは返済のみ…となるケースがほとんどになると考えられます。
しかし、年金受給者は他の無職の方と違い、年金受給者専用のカードローン商品を利用することが可能です。
全国の信用金庫(対応していない信用金庫もあります)では年金受給者専用のカードローン「シルバーきゃっする」を利用することが可能です。
こちらの商品は対象の年齢が満60歳から、そして年金受給者限定といった非常に特殊な内容になっていますが、他にアルバイトやパートをしていなくても利用することが可能です。専業主婦の方に比べると選択肢は少ないですが、借りることは不可能ではありません!
ただし、利用できる年齢は満69以下と、70歳になると利用が出来ませんのその点は注意しましょう。やはりこの世代となると、一番のネックとなるのは年齢と言えそうですね。
あまり限度額という点では触れられていませんが…まとめますと、
これまでの2つのケースに比べると「年齢」が、職業(無職)よりも重要になっている点がポイントといえるでしょう。
これまで「無職」となった場合の3つのケースを説明してきましたが、それらのどれにも該当しない「無職」…つまり、仕事を辞めてしまって、次の就職先がない(就職活動中)無職の方の場合は、「もう自分は利用できないのではないか?」と非常に不安が大きいと思います。
特に消費者金融のカードローンの場合、年収が0ですとお金を借りることが出来ませんので利用停止となるほかありません。
本来はいけないことですが、無職になったことを黙っていれば継続してカードローンを利用することは可能でしょう。つまり、限度額がすぐに下がってしまう可能性はそう高くないと言えます。
しかし、それを長く続けていけるか?…というと、難しいかもしれません。なぜなら「更新時期」というものがあるからです。
あまり利用している側にとっては意識することはないのですが、実は銀行カードローンは非常に短期間で更新が行われています。
例えばみずほ銀行カードローンの場合、
と決められています。2014年5月15日に契約成立した場合、2015年5月10日に再度審査を行った上で更新するかどうかが決定されるわけですね。
この契約更新期間は銀行によって以下のように違います。
銀行または会社名 | 契約更新までの期間 |
---|---|
みずほ銀行 | 1年ごと |
三井住友銀行 | 5年ごと |
三菱東京UFJ銀行 | 1年ごと |
レイク(新生銀行) | 5年ごと |
無職になった場合、みずほ銀行を利用していたら三井住友銀行を利用しているよりも早く限度額が下がる、あるいは0円になってしまう可能性があります。逆に言えば、更新期間が長いところを利用していれば無職でも利用限度額が下がりにくい…とも言えそうですね。
先ほどの表を見て、「消費者金融がひとつもない」と思った方がいるかもしれません。実は、消費者金融の場合「返済期間」及び「返済回数」は決まっているものの、毎年更新するといった旨の記載はないんです。
会社名 | 最長返済期間 | 最大返済回数 |
---|---|---|
アコム | 3年~6年9ヶ月 | 31回~81回 |
プロミス | 6年9ヶ月 | 80回 |
アイフル(フリーキャッシング) | 14年6ヶ月 | 151回 |
モビット | 8年10ヶ月 | 106回 |
これはあくまで「最大」なので、利用限度額最大まで借りた場合となります。なので、実際現実的に借りる金額(50万円程度)はもっと回数が少なくなります。
とはいえ、銀行カードローンと違い更新が表立ってないのは、仕事を辞めてしまったけどカードローンを使っていきたいという方には朗報といえるのかもしれません。
しかしながら、消費者金融でも一切のチェックをしないまま…というのは考えにくい部分があります。
問題なく毎月の返済が行われていればチェックが入ることもないでしょうが、延滞がチラホラ見られるようになると「もしかしたら収入に変化があったのでは?」と、現在の信用情報などを再度チェックする可能性は十分に考えられますね。
利用限度額が減ってしまう、あるいは利用停止になってしまう可能性が高いですが、それを報告しないのは重大なマナー違反。その会社のブラックリストに名前が入ってしまう可能性もあるでしょう。
無職になったら利用限度額はどうなるのか?という点についていろいろと述べてきましたが、ケースは様々にあれど基本的には利用限度額はどうしても減額される方向にあることは否めません。
例外と言えそうなのが転職した場合ですが、転職直後は収入が安定しているかわからない、また勤続年数が利用限度額に大きく影響する項目なために一時的に利用限度額が下がることも十分に考えられます。
銀行・消費者金融どちらにおいてもカードローンを利用する上で収入があることは大前提ですから、どうしても収入がない状態である「無職」の方は非常に不利になります。中には職業上は無職でも、株や不動産で不労所得がある方は問題なくカードローンの利用は可能ですので、またちょっと違いますが。
特に仕事を辞めて、かつ再就職先が決まっていない場合はとりあずでもいいのでアルバイトや派遣の仕事をするだけで、収入を得ることが出来るので限度額は減額されても利用停止になる可能性はぐっと下がります。
今借りている会社からの信頼をなくさないためにも、出来る限り正直に自分の状態を報告し、相談するのもアリです。多くの場合は親身になって相談に乗ってくれますよ。
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